恋人は王子様!?
「先生…ごめんなさい。ご迷惑をかけました」
俯いたまま、俺を見ない。
倒れたことにより、また俺に嫌われてるんじゃないかと考えてるようだ。
「蓮見先生、菫ちゃんを送ってくれますか?」
野崎先生…
「あ、それがいいわ。蓮見先生 お願いします」
二人に云われ、菫も断れず 大人しく俺の車に乗った。
菫はずっと下を向いたまま顔を上げない。
顔面は蒼白だ。
途中で車を止め
「菫…大丈夫か?しんどくないか?」
「……」
「菫」
そっと抱き寄せ
「愛してる」
菫がピクッと…
「…裕…ちゃん…」
堪えてたのが一気に溢れた。
頭を撫でて
「ん…愛してるから…ずっと傍にいるから…何にも心配することないから」
「うん、うん…ご、ごめんなさい…」
「菫」
「……」
顔を上げて
「これからは『ごめんなさい』は禁止な」
「えっ?」
「お前は何も俺に謝ることなんてないだろ」
「…裕ちゃん」
……
…
ようやく泣き止んだので車を走らせた。
家に送り届け
「今日は勉強しないで寝ろ。いいな」
「はい」
菫のお母さんにも頼んで、とにかく休むように云い、家を後にした。