狂涙。
「……んっ…、」
日中の強い日差しが私に起きろと急かす。
懐かしい夢を見た。
枕がほんのり湿っていて、自分が泣いてたことに気づく。
「ああ、あれから3年がたったのか…。」
あの時、゙ヒドに拾われた私は手当てをうけて、激しい疲労感により眠りについた。
次の日目覚めると、体中に包帯が巻かれていて、かなり動きづらかった。
起き上がろうとした私だったが、
「まだ起きちゃあかんよ。傷口が開いたら大変だえ。」
と制されて、やっと自分の他に昨日の゙ヒドがいる事に気づく。
まだ体力が回復していなかった私はされるがままに寝かされた。
よく見ると、昨日私を助けだヒドだった。
綺麗な銀色の瞳が心配そうに少し微笑んでこちらを見つめていた。
私は小さい頃から兄以外に、しかも゙ヒドに心配なんかされた事が無かったので、恥ずかしくて緩みそうになる顔を見られたくなくて背けた。