『多良家』の嫁☆〜お隣BOY☆続編〜
話を聞いたお母さんは、目を輝かせ笑い出しました。

何がそんなに愉快なのでしょうか…


自分家の炊飯器にゲロを吐かれたというのに。


「それは…行くなら産婦人科だわ!」


お母さんの言葉に虎太朗は珍しくはしゃいでいました。


手ぶらに健康サンダルで会社に向かおうとするほどに。


「虎太朗ったら、よっぽど嬉しいみたいね」


虎太朗の可愛い一面を見て、また胸キュンです。



さて…


人生初の産婦人科。


少し出ているお腹を手で撫でながら座ってる人…


男の子3人連れた大きなお腹の人…


つわりなのかな…
青白い顔でうつ向いて座っている人…


走り回る3兄弟。


「座ってなさい」


お母さんが言います。


男の子は元気いいなぁ…

なんて呑気に思っていると

一人私の膝にへばりついてきました。


「えっ…!」


男の子の鼻水が私のズボンに白いシミを作りました…

青白い顔の人はますます気持ち悪そうにうずくまります。


「こらー!!!座らないなら今すぐ歩いて帰れー!」

肝っ玉母さんがついに叫び声でピタッと止まった3兄弟…


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