『多良家』の嫁☆〜お隣BOY☆続編〜
さすが…


ちょうど静かになった待合室に看護師さんの声が響き渡りました。


「多良さーん、多良歩來さーん」


「ぷっ…」


タラフクを探してみんなキョロキョロしています。


よりによってなぜ…

このタイミング…


「タラフクだって…」


「くくくっ…タラフクって…」



3兄弟達がヒソヒソ言ってます。


お母さんは、笑うのを我慢するのが精一杯と言った様子です。


肝っ玉母さん…

今こそ叱れよ…



「あら、タラフクさん…?」


返事をしない私に看護師さんはますます大きな声で叫びます。


「ハイ…」


小さな声で返事をした私。

タラフクを一目見ようとみんなの視線が集まります…

診察室に入る背中にも視線が…



「3ヶ月ですね」


小さくて丸い赤ちゃんはパチパチ動いてました…


まだまだ小さいけれど、確かに生きていることを実感した。


「おめでとうございます」

先生が笑顔で言った。


その言葉になぜか胸が熱くなって…


涙が出ました。



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