「仲間入り」「敵」

ナクナさんはちょっと険しい表情になってから話してくれた

あたしは黙って聞いた

 「あたし、一族を飛び出した裏切り者だったんだ…、その訳はただの恋なんだけど、その時のあたしはまだ幼かったっていうか恋が真新しいものだったんだよね」
「で、あたしの相手が、修羅族の次期大将の幹部候補、「ユキヤ」なの」

修羅族…?

 「その事があっという間に両族にバレてあたし達は監禁されちゃって、でもユキヤは幹部候補だった為か、脱走して、あたしの所に来てくれた」
「あたしを助けてくれるのかな?って思ってたら違った…、『もう君には会えない、別れよう』って言ってどこかへ行っちゃったの、今どこにいるかすらわからないわ、修羅族にも戻ってないみたいだし…」

ナクナさんは一気に悲しそうな表情になった

「で、あたしは死刑…、公開処刑を言い渡されたの、でも…」
ナクナさんはさっきの表情とは打って変わってタイキをニヤニヤしながら見た

「タイキがね、あたしの為にこう言ったのよ♪」

『ナクナを処刑するなら、オレの側近にしろ』

 「ってね♪で、次期大将のタイキの言うことに逆らえるのは、現:総大将かその幹部達だけ」
「あたしは、みんな反対するだろうなぁって思った、でもね、総大将が」

『良かろう』

「って、その時の幹部達の顔が面白かったなぁ♪今でも忘れらんない♪口を顎が外れそうになるまで開けて、まるで漫画の1シーン見てる感じだったわよ♪♪」


 「でね、総大将が条件を付けてきたの、その条件が、妖力制限+容姿を子供にするっていうものだったの」
「って言う訳なのよぉお~♪」
なるほど…

まだあたしは中学生になったばかりだから真面目な恋はしたこと無いけど、一つ分かったことがある

恋に飲まれてはいけない…

「あれ?でも今元の姿に戻ってるのはなんでなんですか?」

「あぁ、これは月に1回戻れるの、総大将がオプション付けてくれたのよ、幹部にも内緒で」

「え!?それいいんですか?」
「なんか、『おぬしはその年で出てる所は出てて引っ込む所は引っ込んでるから、タイキの相手を頼んだぞ』だってさ、でもタイキはサラサラそんな気無いみたいだけど」

ナクナさんはそう言ってタイキを睨み付けた

目が怖い…


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