Dear.幽霊の君。

学校にて。

「遅いよー。オレ待ちくたびれた」
「あ!?あんたパンツ男じゃん」
「・・・って友梨香ちゃん!?」
「まさかの名前呼び!?」
「死んだんじゃないの?」
「いろいろあってね」
そう言ってあたしが笑った瞬間、パンツ男はポロポロと涙を流し始めた。
「ちょ、どうしたの!?」
「すごい・・嬉しくて」
「え・・・」
一瞬、不覚にもドキッとしてしまった。
こんな綺麗な横顔なんて、見たことない。
なんでだろう?
パンツ男を見ると、あの人を思い出す。
思い出したくない過去。
なのに、頭に焼き付いて離れない。

「友梨香ちゃんに、もう一度会えてよかったよぅ」
やめて、そんな事言わないで。
あの人もそう言った。

“友梨香にもう一度会えて、オレは嬉しい”

若干違うのは気にしないで欲しい。
でも、そんな風に言われると好きになってしまう。
もう男は嫌だって、もう関わりたくないって、あの時自分に誓ったのに。


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