Dear.幽霊の君。
「美仔っ!?」
「何してんのよぅ、2人でさぁ」
「いや、な、何もないよっ?」
「えー?ホントかなぁ?」
「ホントだよ!」
そう言って美仔が手に持ってるビニール袋をひったくる。
「あ、あたし、ミルクティーが、いいんだなっ」
「お、オレは、紅茶オレ!な、なんちって」
動揺してドモるあたしたちを見つめながら、美仔は手際よく自分のジュースにストローをさす。
「あ、美仔はオレンジ?」
「うん。あたし紅茶は飲めないの」
「そっか」
「で?2人は何してたの?」
その美仔の一言で、保健室の天井に向かって紅茶と紅茶オレが吹き出された。
「いやいやいや、別に!?」
「そうだよ、何もしてないよ!?」
「ふ~ん・・・。面白くないな」
「何がよ!!」
あはは、と美仔の笑い声。
とともに、保健室の扉が開く音。
「・・・・・・誰?」
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