Dear.幽霊の君。
「もういいっ!帰る!」
「おー。じゃーな、また来てくれよ」
「絶対来ない!」
そう言い捨てて、あたしは病室を飛び出した。


病院の相談室みたいな所の前を通ると、秋川の両親が担当医師と話している声が聞こえた。

「・・先生、圭は・・・治るんですよね?」
「とても、言いづらいんですが・・・」
・・・・・・え?
「言ってください、ちゃんと受け止めますから」
「・・・圭君は、脳に強い衝撃を受け、後遺症が残る可能性があります」
後遺症・・・。
でも、リハビリすれば、なんとかなるよね?
「最悪の場合は・・」
最悪の、場合?
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