Dear.幽霊の君。
美仔の部屋に入ると、いい香りがした。
香水かな・・・?
あれ、でもそんなキツくないし。
シャンプーの香りかもしれない。
「あ、友梨香もうおろしてぇ」
「あいよ」
美仔をソファにおろすと、
すぐに寝てしまった。
よっぽど疲れてたんだな・・・。

あたしもどっか座ろうかな。
と、ベッドに腰掛けると。
「・・・プリクラ?」
机の引き出しに貼ってあるプリクラ。
美仔と、もう一人誰かが写っている。
「同じ制服だ・・・。彼氏かな?」
何も落書きしてない。
ただ、普通の写真みたいなプリクラ。
「それ、あたしの初彼だよ」
「・・うわっ!!?起きてたの?」
「反応遅っ!さっき寝てすぐ起きた」
「いつもの美仔に戻ってるー」
「戻っちゃダメ?その男よ、今日あたしが友梨香に話した男」
へぇー。
そんなヒドイ人には見えないけどな。
わりと格好いいし。
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