Dear.幽霊の君。
「見た目はいい人なんだけどな」
「見た目だけよ、ホントに」
その時、1階から「ご飯よー」と聞こえてきた。

食事中、あたしは1つ疑問を持った。

あたしって、ご飯食べれるのかな?

とりあえず一口。
でも、口が開かない。
おかしいな、さっきまで普通にしゃべれてたのに・・・。
どうしよう、美仔のお母さんもいるのに。
食べれないなんて言えないし・・・。
どうしよう?
「あ、ごめん友梨香!さっき友梨香家でご飯食べてきたんだよね?忘れてたぁ、いいよ無理に食べなくて!」
美仔のとっさのウソ。
「ごめんね、美仔んちに迷惑かけるわけにいかないと思って言えなくて」
「あら、そうだったの?気使わなくていいのにねぇ。先にお風呂どうぞ」
「すいません、ありがとうござます」
「あたしお風呂案内してくるね」
美仔と立ち上がり、部屋に行く。
手が、少し震えていた。
あの時美仔があたしの様子に気付かずウソをついてくれなかったら。
そう思うと、自分に嫌気がさした。
「ごめん、美仔・・・」
「友梨香、あんたご飯食べれないの?」
「そうみたい」
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