Dear.幽霊の君。
「おやすみ」
そう言って電気のスイッチに美仔のキレイな腕が伸びる。
もしかしたら、美仔の腕筋を見るのもこれが最後かもしれないんだ。
「おやすみ」
あたしが、もし明日冷たくなっていたら。
そう思うと、怖くて眠れない。
「・・ねぇ美仔」
つい、美仔に話しかける。
「んー?なぁに?」
「・・・っ・・なんでもないっ」
あたしが明日いなくなってたら、
出そうになる声を必死でこらえる。
聞いてはいけない気がする、
もうひとつの声。
いなくなってたら、美仔は、どうする?
もし聞いたとしても、
たぶん何も変わらない。
美仔はあたしを消えさせない。
消えたら美仔に殺される(笑)
それは、きっと・・・・・
美仔だから、できることだと思う。