Dear.幽霊の君。

次の日。
体を揺さぶられる感覚。
「起きろ」
という声。
今度はビンタされる感覚。
鋭い痛み。
それと共に、自然に開く目。

「友梨香っ!!!」

泣きそうになっている美仔の顔が、第一にあたしの目に入ってくる。
「どしたの美仔!?あ、おはよ」
「おはよ。じゃないよぉ~!ホントに、心配したんだからぁ。もー友梨香死んじゃったって、消えちゃうって、いなくなっちゃうって、もー怖くて怖くて」
「そっかぁ。ごめんね。熟睡しちゃって」
ギュウっと抱きしめられる。
あぁ、あたし生きてるんじゃないかなぁ。
こんなにも美仔の温かさを感じるのに、
こんなにも美仔の腕の強さを感じるのに。

本当は、死んでるなんて。

神様、お願いです。
お金や地位はいらないから。
あたしに、どうかあたしに・・・


もう一度命をください。


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