Dear.幽霊の君。
誠也side
初めて見た時、好きだって思った。
いっつもノーメイクで、
寝癖だってついてて、
女子にしては少し低めの声で、
脚はすらっと長くて、
顔は普通だけど飾らないままで。
高い声を出してキャッキャ言いながら寄ってくる女達とは全然違った。
「キス、してもいい?」
「いいよ」
なんとなく、冗談で言ったのに。
珍しく許してくれたし。
こうなったら、俺もうダメだから。
好きって気持ち、抑えられなくなる。
しかも、友梨香って幽霊だし。
何しても消えちゃうんじゃないかって。
友梨香の記憶から、俺の事消えるんじゃないかって。
いつも心配だった。
「好きだよ」
「うざい」
こんな会話が普通だったのにさ。