優しいなんて、もんじゃない
その男性の中でも、1人。
他の人達とは違いグレーの防止を深めに被り目元がまったく見えないうえに口元を黒のマフラーで隠している為ただの不審者になっている奴が。
背が高いのと、服に隠れてしまってるけど男性ということは雰囲気で伺えた。
「じゃあ、俺はこれで。」
柔和に微笑みカウンターにお札を置いて席を立った河井さん。お釣りを払おうとしたが次でいいと言い残し手を振られたから軽くお辞儀をして見送った。
先程まで河井さんがいた席には、美月という女性が座り。その横にお連れの方がずらりと並んで座る。
グレーの帽子の男は、一番端に座り、マフラーだけ外した。
「1年振りかな?」
「ほんと。仕事仲間の方々?」
「そ。そちらはー…、バイトの子?」
「あ、いとこ。」