優しいなんて、もんじゃない



―――それから暫くして、男や美月さん達はぞろぞろと店を後にした。



最後尾、ドアの前で立ち止まった男はくるりとこちらに振り返り長い指をひらひらと揺らして笑った。




最後まで、帽子を脱がなかった男の名はユウ。


会って直ぐにナンパしてきた男ということも私の脳に深く刻まれた。




ただの変態、とも思うけど。仕草は妖艶で、持っている物は高級ブランド品。



不思議な男だった。












これが、私とユウの出会い。


アイツは初めっから変態野郎だったのだ。




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