優しいなんて、もんじゃない
お前と一緒にするなという意を伝えたかったのだが。
男、ユウは「こんにゃく?」と首を傾げて困惑した顔をしていた。今のは私のミス。
「嬉しいな。このままお店に行こうかなあ。」
「…好きにすれば。」
「でも、今日はダメなんだよな。」
「(じゃあ言うなよ。)」
私はユウを押し退けるようにしてレジへと並ぶ。
深夜だからか。気怠げな「いらっしゃいませ」を聞きメニューへと目を走らせる。
「…照り焼きバーガーとポテトのMとバニラシェイクS。」
「はい、ご注文は以上でよろしいですか。」
「あ、はい…」
「後、ポテトのL1つとナゲット1つ。俺もバニラシェイクSー。」
私の横に並んだユウは、勝手に注文を付け足してきた。睨み付けるが目元が見えないから、効果はない。
店員さんが少し困った顔をして、だがすぐに「はい」と言って頷く。