優しいなんて、もんじゃない
「あ、私とこの人が注文した分袋分けて下さい。」
「かしこまりましたー。」
補足として、店員に告げた私はユウから距離をとり注文の品が出来るのを待った。
その間、ボソリとユウの「狡いよ」とか言う声が聞こえたけど無視した。
数分後、店員から袋を二つ受け取ると片方をユウに差し出す。
が。
中々受け取ろうとしないユウは、口を尖らせて不満そうだった。そういうの、面倒くさい。
「…受け取らないなら、2度と店には来ないで。」
「!!」
俊敏な動きでユウは私の手から袋を奪う。どんだけ焦ってんだコイツ。
さっさと踵を返し店へと帰ろうとする私の後ろからは、バタバタと荒い足音が着いて来る。
振り返れば、そこにいたのは当然ユウ。