優しいなんて、もんじゃない
「…ユウ。」
「何ー?」
「腹と、太股、どっちがいい?」
「…え…?」
明らかに口角を引きつらせ後退するユウに私はゆったりと歩み寄る。
「ゆ、優…?」
「そうか腹か。よし。」
「ちょ、タンマタンマ…ッ!!」
「じゃあ、用件を言え。」
拳を握りしめた私に、ユウは焦りまくった声で制止を唱える。
早く言えと睨むことで伝えようとすれば、今回ばかりは拳の助けもありユウは簡単に口を割った。
「お金!…あれは、狡い。」
「は?」
「あの使い方は狡いの!」
「…意味分かんないし。」
私は、ユウが好きな物に使えと言うから使ったんじゃないか。カシスのおつりのかわりみたいな物だし。
何が狡いのか、ユウが言っている意味が分からない。