優しいなんて、もんじゃない



でも、今の会話の流れからして私の勘違いじゃなければってか勘違いとか有り得ない気もするけど。


「(今晩、私の演奏を聴きに瀧さんが来る…?)」



…ちょっと待ってよ、何ソレ。

これは何かの罰ゲーム?拷問じみたこの現実はなんなの。いやだ、なんかもうお腹痛くなってきた。



冷や汗だか脂汗だか分からないけど、じんわり額に滲み出るそれ。


喉がカラカラに渇き過ぎて、逆にその痛みに麻痺し始める。




と。


「ゆっうーっ!」

「ッ、…!」


ガバリ、背後から何者かに抱きつかれた私は悲鳴を上げることはしないが身体を強ばらせて直立不動。

驚いた、いきなりすぎて心臓に悪い。



誰だなんて考える必要もなく、全体重を私にかけてくる変態馬鹿はアイツしかいない。



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