優しいなんて、もんじゃない
ゆっくりと振り返り、そこにある笑顔を浮かべる綺麗な顔を睨みつけてやる。
「離れろ変態。」
「いきなり罵倒かー。」
「黙れ。うざいしきもい、人類のカス。」
「…ちょ、…酷い。」
明らかに傷付いた色を瞳に孕ませたソイツに、言い過ぎたとは思うも撤回はしない私。
気の強さと口の悪さは人一倍だと自覚はしているが、これが中々直せない。
「……何してんの。」
「ん?ちょっと、お仕事みたいな。」
流れるような動きで私から離れたユウを見上げながら、問いかける。
こてん、首を傾げて何とも曖昧な返答をしてきたユウに私はゆるく眉根を寄せた。
自分のことなのに、ハッキリ言えと言いたくなったが。別に興味もないしそれ以上は聞くことをせずに「ふーん」と呟いた。
ユウは、そんな私にへらりと無防備に笑いかけ。
「優こそ、何してるの?大学は?」
「今日は午前中で終わり。今は買い物中。」
「そっかあ。」