優しいなんて、もんじゃない




歩き出して数分。


急にユウがその手を離すから、何だと視線を浮上させた私の視界に映る―――――――…




「やっっっと!見つけたぞユウゥゥウゥウウゥ!!!」

「うっわ出たー…。」



美青年なんだろうが、般若の形相でこちらへ物凄い勢いで駆け寄ってくる男。

黒色の緩いパーマのかかった髪で前髪はセンター分け。顔は綺麗の一言に尽きる。



薄いブラウンの、デカく丸いサングラスをかける男はユウの前に立つと思いっ切りその頭を平手で叩いた。


痛ッ!と叩かれた所をさすりながらも。スッと私を背に隠すように横にずれた。



「おっま…、今日は話があるって言っただろうが!」

「時間に遅れたのはそっちだろ。1秒でも遅れればドタキャン同然!」

「有り得ねえ…!お前の頭ん中腐ってるな!!」



頭を抱えて、盛大な溜め息を吐き出す男をユウの後ろから隠れるようにして見ていた私だったが不意にこちらを向いた視線とバッチリ絡み合ってしまうそれ。



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