優しいなんて、もんじゃない



罵り合いつつも、最終的にはお互いに名前を名乗るあたり(自分で言うも)中々素直である。


ラン、と名乗ったセンター分けの男は微細にだが怪訝な顔をして「ユウ…?」と呟いた。

それに一度小さく頷いて見せた。



「…お前、ゆうっていうの?」

「……優しいの、優。」

「やさ、…ぷっ。俺は藍色の藍でランなー。」



私に続いて漢字の読みを教えてくれたらしい男もとい藍。

てか、軽く流したけどあんた今吹き出したよね?笑ったよね?明らかに私の性格と比べで優しい゙で吹き出したよね?シバくぞ。



ギロリと睨み上げた私に対して嘲笑するかのように鼻で笑った男。

分かるように私の気は長くない。苛々が最高潮に達するのも時間の問題なわけで。



どうしようかこの男。本気で腹立つんですけど。


すかした態度といい、荒々しい口調といい何もかもがムカツク。

と。



「…まあ、あんたの方はいいや。」

「、」

「問題なのはユウ。テメェのしてることはルール違反だ。仕事もまともに出来ずに自分のことばっか通ると思うなよ。」



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