秘密のキスをしたとしても。


なんか、さっきまで気まずかったのが嘘みたいな雰囲気に私は戸惑う。


…前みたいに、お兄ちゃんと沢山話してもいいのかな…。


「こうやってちゃんと花と話したのは去年のばあちゃんウチ以来だな」


私が今、思っていたことをお兄ちゃんは懐かしそうに呟いた。


「うん…、そうだね」


おばあちゃんのウチに行って以来、意識し始めちゃって今状態だったから…。


だんだん、罪悪感に襲われお兄ちゃんに申し訳なくなってきた。


しゅん、と昔の自分を悔やんで落ち込んで居ると、お兄ちゃんが突然クスクスと笑い出す。


「花はばあちゃんウチ以降、反抗期に入ったからお兄ちゃん寂しかったんだからなー」


「…え?」


お兄ちゃんの発言に耳を疑った。


    
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