秘密のキスをしたとしても。
反抗期….……?
ぽかんと開いた口が塞がらない。
まさか、私がお兄ちゃんを避けるようになったのは…、反抗期のせいだと思っていたってこと…?
「花がこうやって俺と話してくれるってことは、反抗期は終わったんだな。良かった良かった」
フライパンに油をひきながらお兄ちゃんは満足そうにそう言った。
一方、唖然とする私。
…そういえば、ずっとお兄ちゃんを避けていたから忘れていたけど、お兄ちゃんは超が付くほどの天然だったんだ…。
そう気づき肩をガックシ落とす。
そう勘違いしていてくれていたならホッとしたけど、逆に私の気持ちにはこれっぽっちも気づいていなかったんだ、と思うとちょっと残念な気分…。
だけどお兄ちゃんの嬉しそうな笑顔を見て、そんなこと吹っ飛んでしまった。