秘密のキスをしたとしても。


「なんだか可愛い詩だね。恋をわかってる、て感じ!」


後ろの席にいる亜美がコソッと耳打ちしてきた。


…やっぱり、わかる人にはわかるんだ。


「ね。私、この詩わかる気がする」


「うん、あたしも」


彼氏がいない私達でさえわかるのに、前の席の彼氏持ちは、先生に何度もこの詩の意味を聞いていた。


報われない恋、辛い恋をしていないとわからないこと。


私と亜美は、あんまり恋バナとかしないから亜美の恋愛事情は何もわからないけど、亜美も辛い恋をしているのかな──?


…亜美には幸せになってほしいから。


    

< 23 / 104 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop