秘密のキスをしたとしても。
上級生はもう、買い終えたのかぞろぞろと教室へ帰っていく。
パン売り場へ行くと、案の定、一年生の群れが出来ていた。
その群れに割り込むと、“メロンパン”の文字が袋に書かれたパンが一つ置いてある。
私は興奮して後ろにいる亜美に向かって叫んだ。
「亜美、亜美!メロンパンあるよー!」
「本当!?めっちゃラッキー♪」
隣で満面の笑みを見せながらお会計をする亜美に対し、私は残り物の中から何にしようか唸りながら悩む。
クリームパンもいいし、あんぱんも捨てがたい…。
なんて思いながら色んなパンを探していると、あるパンが目についた。