秘密のキスをしたとしても。


「そうなんだー…」


「花さー、隼人さんの妹だし、遠山比陰と一緒に居たなんて知れ渡ったら大半の女子を敵に回すよー」


口元をニヤニヤさせながら亜美が棒読みでそう言う。


…確かに。

お兄ちゃんの妹ってだけで女の先輩とかにレッテル貼られているのに、そんな有名な比陰くんと居たと知られたら…私、今後どうなるかわからない。


その未来を想像すると、背中がゾワッとし、身震いしてしまう。


「まぁ、いじめとかはないと思うけどね」


「本当ー…?」


「隼人さんの妹なんかをいじめたりなんかしたら、隼人さんを敵に回すようなものだからねー。でも、もし花がいじめられたらあたしが懲らしめてやるんだからー!」


理由を説明した後に亜美は拳を上にあげ、ヤル気満々の様子を見せた。


亜美は空手の有段者だから一際迫力がある…。



    
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