秘密のキスをしたとしても。
「なんか元気な二人だね」
亜美が苦笑いしながら小さく呟いた。
「そうだね」
「あの遠山比陰と話しちゃった。花は普通に話してたけどね。横山ソラとも」
「ソラくんも有名なの?」
「当たり前じゃん!遠山比陰の親友プラス整った顔立ち。遠山比陰の次に一年生の中でイケメンだよ」
ゆっくり前へ歩きながら亜美はそう私に説明した。
亜美の恋愛事情はわからないけど、こういう情報には詳しい。
「あ!中間地点じゃん!やったー」
中間地点の目印の旗を指を差しながらポンポンと軽く私の肩を叩いてはしゃぐ亜美。
小走りで旗の所まで向かった。
「ふぅ、疲れた!」
亜美は休憩場の地面に、倒れる様に座る。
確かに…。久しぶりに歩いたから少し体がしんどいかも…。
はぁ、と小さくため息を付いて私も地べたにお尻を付けて座った。