秘密のキスをしたとしても。
座って疲れを癒しながら上を向くと、眩しい太陽が目をくらます。
頭もホワホワして空に浮いている様な感覚に体が包まれているみたい。
「────花!?」
「え──…」
いきなり視界が横になっていく──。
そしてそれを自分の中で解明する前に目の前が真っ暗になり、暗闇の中に飲み込まれてしまった。
そこからの記憶はなく、目覚めた時は自分のベッドの中に居た。
「あれ…?」
周りが自然の中ではなく、自分の部屋だということに混乱してしまう。
…あれ、私、親睦会で山登りしていたはずなのに。
「あら、花起きたの?」
記憶を辿っていると食事を持ったお母さんがドアを開けて言った。