秘密のキスをしたとしても。
……ん??
てことは…、お兄ちゃんが倒れた私を家まで送ったっていう事──?
どの様に運んだかはわかんないが、私の頭の中には抱っこされる自分の姿が浮かんだ。
一気に顔の体温が上がるのがわかる。
ん?待てよ…。
お兄ちゃんに担がれたということは、私の体重の重さを知られたという事だ…。
最近、少し太ってきたから本格的にダイエットを始めようと思っていた矢先…。
「穴があったら入りたい!」
一人で虚しく叫び、布団を勢い良くかぶった。
──コンコン。
かぶった瞬間、小さくドアをノックする音が聞こえた。