秘密のキスをしたとしても。
「花」
「ひゃ!」
突然、名前を呼ばれ体がビクッと跳ねる。
携帯を持ちながら振り返ると苦笑いしたお兄ちゃんが立っていた。
「ブレーカー上げてもダメだった。どうする?」
「この小説、見たい…」
「あ、さっきの?いいけど目悪くするよ。…俺も違う小説見てるわ」
そう言ってお兄ちゃんは携帯を持って大きな本棚から小説を選び始めた。
床から天井にまで高さがある大きな本棚にびっしり並べられた本達。
それを見て頭の中に図書館が思い浮かんだ。
…凄い本だなぁ…。