秘密のキスをしたとしても。
kiss.2
新たな芽が咲き始めた。
*thetext 新たな芽が咲き始めた。
「終わったー!!」
クラスメート達が皆そう叫ぶ。
今日、前期中間テストが終わり、長い長いテスト期間が終了した。
これからは学校祭やら何やらで忙しくなる。
「花ー、やっと終わったね。どうだった?出来栄えは」
「…撃沈…」
こちらに来て、平然とした表情で私に聞く亜美に、机に項垂れながら静かに呟いた。
流石高校のテスト…、一筋縄でいかなく、テストの出来は最悪。赤点じゃないことを願うだけ。
帰宅する生徒の波に乗るように私と亜美は廊下に出た。
中々進まない波を歩いて居ると、誰か私の名前を呼ぶ声が聞こえる。
「花ちゃーん!」
「え…?」
人混みをかき分けてこちらに向かって来たのは、顔が満面の笑みのソラ君と人混みをうざそうにかき分けて来る比陰くんだった。