秘密のキスをしたとしても。


そしてお気に入りのベットに制服のままダイブする。


「…馬鹿…」


深いため息を吐き、私しかいない部屋の中で一人呟く。


もちろん、自分に向けての言葉。


……今日も素っ気なくしちゃった。


さっきの自分の行動を思い出し、また深いため息をついた。


お兄ちゃんの前だと何故か緊張してうまく話せなくなる…。


もっと…、もっと話したいのに。


寝そべりながら横を向くと、机の上に置いてあるレトロチックな写真立てに笑顔でピースする私とお兄ちゃんの写真が目に入った。


それは去年の夏、おばあちゃんウチに遊びに行った時に写してもらった写真。


今では考えられないくらいお兄ちゃんにベタベタくっついていた私。



    

< 9 / 104 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop