秘密のキスをしたとしても。


周りから一気に目線が集まる。特に女子の目線が。


逃げたくなる気持ちでいっぱいだったが、人が多すぎて身動きが出来ず、目の前に二人が来てしまった。


「やっとテスト終わったね!どうだった?」


一見、見た目はクールそうに見えるソラ君だが、口を開くとテンションが高いおチャラケ者。


そのギャップに女子達はキャーキャーするのか…、と密かに心の中で思う。


「撃沈だよ……」


学年で登山をした時にしか話した事がなかったから言葉が片言になってしまった。


「俺もー!比陰は余裕だったかもしれないけどな」


「うん、余裕だった」


ソラ君の言葉に、スラッと答えて私を見る比陰くん。


頭良いんだ…比陰くん。意外…。


「お前、今以意外とか思っただろ」


ギクッと図星をつかれて顔が引きつる。


それを見た比陰くんは私の頭にチョップを喰らわせた。



    
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