秘密のキスをしたとしても。



「と…」

「えー?似てるよー?目とか口とか鼻とか」


比陰くんが何か私に言おうとしたと同時に亜美が呑気にそう呟いた。


「顔全部じゃん!」


それにすかさずソラ君のツッコミが入る。


その亜美の呑気さに救われ、私は平常に戻る余裕が出来た。

あのまま、比陰くんに何か問われていたら、みんなに私の秘めている秘密がばれてしまいそうだったから亜美に心の中で感謝する。


「あたしねー、スタバかミスドかマック行きたいなぁ」


「ならマックだなぁー!よし、決定ー!行こー」


亜美とソラ君が勝手に話を進め、私も結局遊びに行くことになった。


お母さんに、お兄ちゃんの伝言と私も今日遅くなることを伝えて──。



    
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