秘密のキスをしたとしても。


* * *


学校を出て、電車に乗り、街中へ到着した。


あまり人混みが好きではない私にしたら街中は過酷な場所。


突っ立っていたら何人もの人が私の肩にぶつかっていく。

帰宅ラッシュだからしょうがないのかもしれないけど、やっぱり慣れない。


「…今日人多い」


隣に居る比陰くんがボソッと呟く。


ちらっと比陰くんの表情を見ると、眉間にシワを寄せ、辺りを見渡して居た。


やっぱり比陰くんも人混み苦手なんだ…。


「マック発見ー。行くぞー」


ソラ君がマックのある方を指差しながら人混みを気にせずズカズカと進んで行く。


その光景を見て、ソラ君を密かに尊敬する。



    
< 96 / 104 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop