恋の施し

｢響花のお母さんの目の前でか？｣



｢違う！…私の部屋とかなら…｣




恥ずかしいって言ってるのに何故郁はわざわざ人目のある所を設定するんだ。




｢無理だろ。響花のお母さん好奇心旺盛だからな｣




「う………」





……確かに。


私のお母さん絶対部屋覗いてくる。
郁と私が付き合い始めた事を言い出したら、ちょくちょく下世話な事聞いてくるし。


何故ならそれは彼女に遠慮という言葉は存在しないからだ。





｢……じゃあ、郁の家？｣




｢………絶対嫌だ｣




｢どうして？｣




｢弟と兄貴がいるから｣




はい？





｢知ってるよ、そんな事は。だけど２人とも良い人なのに何か問題でもあるの？｣




別に問題ないと思うけど。別に私、郁のお兄さんと弟君好きだし。
向こうにも…嫌われてはないと思うんだけど。




｢……響花は普段アイツらが何を言ってるか知らないからそんな事が言えるんだよ｣




……え…

もしかして…私、２人に…