恋の施し


「『響花、可愛くなってきたなー。性格も良いし、絶対素敵なお嫁さんになるよ。俺がもらおうかな』とか『僕ね、将来響花姉ちゃんと結婚したい!』…とか言ってんだぞ!?」




良かった…嫌われてるわけじゃないんだ…

私はホッと胸をなで下ろす。



「市架(イチカ)さんや柚希君にそこまで言ってもらえて嬉しいよ」




「違うだろ!?全っ然響花は分かってねぇ!!
1ミリも俺の言う事理解してねーじゃねーか!!」




郁は一体どこに怒っているんだろう?

…本当に謎だ。




「何が一体ダメなの?

私も2人とも大好きなんだから問題ないじゃんか」




「はぁあ!?俺は!?
俺には響花、1回しか“大好き”なんて言ったことねーのに何兄貴や弟に言ってんだよ!?
俺とアイツらに対する愛の告白回数は同じかよ!?ふざけんな!!」




別にふざけてないんだけど…


どっちかって言うと私の理解できないポイントで怒ってる郁の方がふざけてると思うんだけど。…まぁ、反論したら余計に怒らせそうだから言わないけど。


というより何で目の前のこの人はさっきからこんなに怒ってるの?
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