恋の施し
無知で馬鹿だった私はそれがキスマークを残した行為だったとは知らず、制服の襟を正すことなく教室へ戻った。
すると雪音に
「やらしいわねーキスマークなんて首筋につけちゃって。
もしかして保健室のベッドとか使用したりした?」
「キスマーク!?」
私は心当たりのある箇所に手を当て、慌てて隠す。
「ほら、自覚あるんじゃない。やっぱり感じた?」
「~~~~~っトイレ!!」
私は脱兎のごとく逃げ出した。
楓がまだ居なくてマシだったけど…
相変わらず私と郁とのバカップル説が広まり、女子の妬みが増えたのは言うまでもない。
郁には勿論後ほどこってり説教をした。
本当にこういう噂ってすぐに広まるから恐い。