恋の施し
郁と別れ教室へ戻ろうとしたとき、後ろから突然声を掛けられた。
「望月さんだよね?
ちょっと一緒に来てくれない?」
私は慌てて振り返るとなんとそこには、
結局名前を聞きそびれた女の子が立っていた。
そしてその子は私を舐めまわすように見つめながら怪しい笑みを浮かべている。
近くで見ると可愛い人…いや…綺麗と言うべきか?いやうん、両方だな。
昔言ってた郁の好みの女性のタイプとかぶってる。
それにこの人は怪しくても笑顔は素敵だ。
髪長いし。
『えっ!?俺の好きな女性のタイプ!?
な、何でそんな事聞くんだよ!?』
昔、郁が頑なに告白を断っているからある時気になってどんなタイプが好きなのかと気になって尋ねた事があった。
『…だっていつも告白されても郁断ってるからどんなタイプが良いのかなーと思って…』
私はただの、ほんの興味本位だった。
悪い気はなかった。