恋の施し


「郁の家にプリント届けた帰りだったんだ」




「そっか」




そう言えば、郁はここ最近学校に来ていないんだっけ…


久谷さんが来ているのに…不運な事に体調でも崩したんだろうか?


郁関連の情報は全く知らないので想像するしかなかった。


雪音や浩平君なら知ってるだろうけど…聞くのは今は自重しようと思っている。



この気持ちが消えるまでは。






「大分、落ち着いた?」






コップの中のココアが半分くらいになった所で浩平君が私に尋ねてきた。




「うん、ありがとう」




今度はちゃんとお礼が言えた。

…良かった。




「ねぇ、響花ちゃんはさ、結局郁とどうなりたいの?」




「………え?」





私は浩平君の質問の意味が分からなかった。
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