恋の施し
「良い?響花。まずは優しさアピールするのよ」
私は相田君家訪問に至って雪音にアドバイスをもらっていた。
しかし…
「優しさアピール…ですか?
…でも、私はあくまでも付添人という形だから…なかなか難しいと思うんだけど…具体的に何したら良いの?」
「とりあえず、早退する程しんどいんだから部屋までプリント届けてあげなさい」
へ、部屋ですか!?
「いや、でも…
誰か家の人が運ぶでしょ?」
頑張ってポストに入れずにインターホンを鳴らすまではしても、そんな家の人が居るのに押しのけてズカズカ上がり込むのは…ダメだろう。
普通に考えてそうだ。
「確か共働きでこの時間は両親いないって言ってたから多分相田1人よ
居たら諦めてニコリとお大事にと言っておけば上場ね」
…いつの間にそんな情報を。
雪音って本当凄い…
というより、その発想が凄い。