恋の施し
響花の照れ隠しで―――…
「ほら、無いんでしょ?」
私の言った通りだというその顔が気に食わない。
…だったらなんだって言うんだ。
「別に関係ない」
馬鹿らしいにも程がある。
「不安なんでしょ?私は郁の気持ち分かるよ」
「お前なんかに分かってもらいたくねーんだよ!」
近くの机をバンッと叩いた。
するといきなり久谷愛が俺を抱き締めてこう言った。
「私ならそんな気持ちにさせない。…だから私にしない?」