恋の施し



翌日。





話の通じない女と響花と一緒に下校出来なかったせいで俺はかなりモヤモヤしていた。昨日響花に電話したが、全く通話が出来なかったせいもある。


ハッキリ言って響花が足りてなかった。



しかし、いつもと同じ様に響花と朝の登校の待ち合わせをしてみると、会えてうれしく思う反面、彼女の様子がおかしい事に気づいた。



そして彼女の口から絶対に聞きたくなかった言葉を告げられた。





「別れよう」



「……意味分からねーんだけど?」






俺はただひたすら困惑した。




『でも、望月さんから“大好き”とか“愛してる”って言われたことあるの?』




…くそっ…何でこんな時にあんな女の言う事が頭に思い浮かぶんだ。


俺には全く余裕がなかった。何も考える余裕がなかったんだ。
きっと、頭が真っ白になるというのはこういう事を言うんだろう。





「……響花は俺のこと嫌いなのか?」






そして、やっと絞り出した質問がこれだった。
響花の顔をまともに見れなかった。




「そうだね。…嫌いだよ」






もう、立ち直れねーよ…
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