恋の施し
「………やっぱり浩平君は嘘をついてる。
茂みに男の人達はいなくても、私の気持ちを言ったら笑うんでしょ?」
「それだったらあの時すでに笑い飛ばしてるはずだろ?
ってか、振られるのにどう笑えって言うの?」
……確かに。
「ゴメン。
告白の前にやっぱり確認させて。…正直に話すから、その前に…「待ってよ」
私は腕を掴まれる。
「俺は、郁の友達だ。
俺を信用しないって事は郁を信用しないって事と同じ事だ。
俺だって振られるの分かって告白して…こんなみじめな姿ずっと晒したくない。いくら校舎裏だからっていつ人が来るかも分からないんだ。
早く、言ってくれねーか?―――待てないから」
そうだ。
浩平君は浩平君でも、彼は郁の大切な友達なんだ。
何度も一緒に居る所を見かけた。
私は、過去の出来事に縛られて自分の大切な人を疑って失礼な事を考えていた。
浩平君、郁、ごめんなさい。
「ごめんなさい、好きな人が居るので浩平君の気持ちには応えられません」
「好きな人って?」
「…浩平君知ってるくせに。いじわる」