恋の施し
「知ってるけど、コレぐらいの要望は叶えてくれても良いんじゃない?
ココア代チャラにしてあげるから」
「……………ホント意地悪」
浩平君は紳士だと思ったけど、絶対違う。
裏では平気で女の子を弄んで鼻で笑ってそうだ。
…それに、なんだかこうやって逃げられない攻め方をしてくる所、郁に似てる。
さすがは彼の友達と言う事はある。
「じゃ、改めて聞くけど響花ちゃんの好きな人って誰?」
久谷さん、ごめん。
でも、想うだけなら、郁以外の人に気持ちを伝えるだけなら良いよね?
いつかは消さなければいけない想いも今だけは――――素直に言わせてもらおう。