恋の施し


「じゃあ、もうそろそろ私たちはおいとましますか」


「そうだな。そろそろ郁の痺れが切れそうだし」




「分かってんなー、2人とも」




えぇ!?

二人ともこの状況で去っちゃうの!?


ならば私も…



とりあえず身の危険を感じるので、私は郁から逃げる言い訳を考える。





「あ、そうだ」



「ん?どうした?
早速俺にキスして欲しいのか?」



「絶対違う!

私、茨君に用事が…「ハァ―――――…」




そこまで先ほど思いついた名案を述べると、まさかのため息で続きの言葉を削除されてしまった。




「響花、マジで空気読めよ」




いや、でも…




「だから、何で今日、今、アイツに会いに行くわけ!?
しかも何で早々に他の男の名前出すんだよ!?妬かせたいのか!?襲われたいのか!?」




「そんなつもりは毛頭ありません」






しかもそのぶっ飛びすぎた後者の選択肢は一体どこから出て来たの!?
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