恋の施し

そして郁の答えはこうだった。





｢違う。馬鹿すぎて呆れてる。

……どうやったらそんな考えになるわけ？｣




｢あ、また馬鹿って……人が真剣に聞いてるのに…ホント酷い。

郁がさっきからため息ばかりついてるから…不安になって…それって馬鹿な事なの!?｣




…いや、確かにたかが数度のため息で不安になるのは馬鹿かもしれない…

段々いたたまれなくなってきた…





｢違う。響花が“鈍・感”な所に呆れてるんだって言ってんだよ｣





だけど、郁は私の予想とは違った答えを提供してくれた。

その点に関しては嬉しかった。



嬉しかったん……だけど、




｢はい!?何それ。私、鈍感なんかじゃない！しかもわざわざそこまで強調しなくても良いじゃない!!

何でこっちがいきなり罵倒されなきゃ何ないの!?｣




｢鈍感に鈍感って言って何が悪い？｣




むかつく。

『お前ごときには分からねーだろ、ハンッ』みたいな顔してる所がむかついた。

こっちは結構真剣に悩んでるのに。