恋の施し
「かえ…で…君?」
恥ずかしくて、声がかすれて上手く言えない。
まるで私が風邪をひいて喉を痛めている人みたいだ。
だけど、彼が許してくれるはずもなく…
「呼び捨てで、もう一度」
「かえ…で」
「一番の薬ありがとう。
明日は学校に行けそうだ。元気出たよ。
響花の可愛い照れた顔も見れたしね」
「な…かわ……っ」
私の顔の熱は許容範囲を超えた。
あ、相田君ってこんなキャラだったっけ?
きっと熱のせいだよね…?
これじゃあまるで……
その先は今の私には考える余裕がなく、彼の家から出る事で精一杯だった。