恋の施し


「ありがとう」




私が感謝の気持ちを込めてそう伝える、郁が突然私を抱き寄せた。




「当たり前だろ?
俺にとって響花は一番の存在だから」






ドキッ




――…え?
今、私何か緊張した?


でも…何で?
ただ耳元で囁かれただけなのに。





「お?
もしかして響花は耳弱いのか?俺に対して初めて緊張してくれたな」




嬉しそうに語る郁。


…というより郁は何でそんなに鋭いんだろうか?…恐い。
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